コンサルタントは普段、様々な思考法を使って物事を分析したり、意思決定をしています。
今日はコンサルタントを目指す就活生に向け、コンサルタントが普段使っている7つの思考法についてお伝えしていければと思います。
ロジカルシンキング
まずは「ロジカルシンキング」についてです。
「ロジカルシンキング」とは論理的思考の意味で、情報を整理し、矛盾なく筋の通った結論を導くための思考法です。
ロジカルシンキングをすることで、その筋道を辿れば誰が考えても同じ結論に至ることができ、分かりやすく、説得力のあるものにできます。
クライアントの課題を適切に解決へ導くことが求められるコンサルタントにとって必要な思考法です。
ロジカルシンキングができると、物事の因果関係の明確化や交渉力、プレゼンテーション力のUPにつながります。
そのため、教育研修でロジカルシンキングトレーニングを取り入れている企業もあり、研修会社などがそのための講座やプログラムを提供していたり、ロジカルシンキング習得に関する書籍が販売されたりしています。
コンサル業界では必ず求められるスキルです。

どうしてもやりたいんです!お願いします!

う~ん。気持ちは分かるけどもう少しロジカルにやりたい理由を説明してみようか。でないと承認できないよ。

分かりました。もう少し論理的に説明できるようにもう一度考えてきますので、後日改めてお話聞いてください!
クリティカルシンキング
「クリティカルシンキング」とは、批判的思考という意味で、ある事象や情報を鵜呑みにするのではなく、懐疑的な態度で臨み、客観視して考察することによって最適解を導こうとする思考法です。
事象や物事の前提条件・要素・論理などをクリティカルシンキングで見直し考え抜くことで、より良い結論を導き出すことができます。
ロジカル・シンキングは「物事を筋道立てて、要素に分解して考えること」であり、クリティカル・シンキングは「本当にその前提が正しいのか検証したうえで本質を見極めること」です。
両者は全く別の考え方ということではなく、「クリティカルに考えてロジカルに説明する」というように、2つをうまく使いこなすことで、核心を突いた問題解決策に到達することができます。
常に状況に合わせた最適解を素早く導くことが求められるコンサルタントにとって必要となる思考法です。

以上が説明となります。市場も伸びていくと思いますので、是非このプロジェクトをやらせてください。

クリティカルに考えてもそのプランに穴はないの?

はい。諸々検討しましたが穴はないと思います。
仮説思考
「仮説思考」とは、問題解決や意思決定を効率的に行うための思考法で、最初に仮説(仮の答えや見立て)を立て、その仮説を基に情報収集や検証を進めていくアプローチです。
情報収集よりも、仮説の検証→修正を繰り返し素早く最適解を導くことを重視する思考法です。
直感や不確定要素に基づいてでも、まず仮説を立てることで、効率的に問題を解決するための行動指針を得られます。
完璧な情報が揃うまで待つのではなく、不完全な情報でも仮説を作り、それを検証することで答えに近づいていくアプローチ手法です。

なんで最近A社の売上は下がってるの?

新しい店長がスタッフからの信用を得られてなくて、ギクシャクしてるっぽです。

じゃあそれが問題の根本原因だと仮定して、対策と提案内容を考えてみようか。
ゼロベース思考
「ゼロベース思考」とは従来のやり方や過去の前提にとらわれず、まっさらな状態(ゼロ)から物事を考え直す方法です。
既存のルールや過去の成功体験にとらわれることなく、「もし今ゼロから考えるならどうするか?」という視点で物事を見直します。
これによって、改善ではなく大きな変革を起こすアイデアが生まれやすくなります。
ただし、数か月にわたって色々議論を進めてきた会議にいきなり部長が参加してきて、
『もう一度「ゼロベース思考」で考えてみよう!』
なんて言い出した日には現場はパニックです。
下手な知識を持ち合わせている上司は時に敵になる事もあるので注意が必要ですね。

将来何の仕事をしようか迷っています。

今までのキャリアや経験にとらわれずに、自分が本当にやりたい仕事や挑戦したい業界は何なの?一度ゼロベース思考で考えてみてもいいんじゃないかな?

そうですよね。僕は一体何がやりたいんだろう…。
と、ゼロから見直すことで、自分にとっての本当の志望動機が見えてくるかもしれませんよ。
Pros and Cons思考法
「Pros and Cons思考法」とは、あるテーマや選択肢について「メリット(Pros)」と「デメリット(Cons)」を整理するシンプルな意思決定の方法です。
Pros(プロス)=長所、Cons(コンス)=短所という意味があります。
この思考法を使うことで、物事を客観的かつバランスよく評価し、より適切な判断を下す助けとなります。
例えば. 転職すべきかといったテーマについて考えてみます。
Pros(メリット)
年収が上がる
新しいスキルが得られる
気分がリフレッシュされる
Cons(デメリット)
新しい環境に慣れるリスク
現職での人間関係が崩れる
仕事を一から覚える必要あり
ProsとConsを天秤にかけ、どちらの選択をした方がより自分にとってよい判断なのかを考えるための思考法です。

部長、この案件なんですが、社長が言っているように無理してでも取りにいった方がいいでしょうか。

う~ん、一度プロコン出してみて整理してみるか。

分かりました。
この仕事を受注した時のメリットとデメリット改めてまとめてみますね。
So Why?
「So Why?」は、「なぜそうなのか?」という理由や背景を掘り下げるための問いです。
物事の原因や根拠をはっきりさせたいときに使います。
主にコンサルタントや論理的な思考が求められる職種で使われることが多く、内容の「本質」を見極めたり、議論をさらに深めるために役立ちます。

今回のクライアントには弊社のトライアルプランを提案したいと考えています。

So Why?
なぜそのサービスがいいと思うの?

サービス導入にまだ不安があるようなので、まずはトライアルプランで試して頂き、サービスの良さを知って頂くのがよいかと思います。
ここで、さらに「So Why?」を繰り返すことで、「顧客が何を求めているのか」や「他の手段では顧客満足度が上がらない理由」など、さらに深い理由が明確になります。
So What?
「So What?」は、「それでどうなるのか?」「だから何なのか?」と、話の価値や意味を問い直すツールです。
結論の影響や意味合いを考えることで、主張が持つ価値や実行のメリットがはっきりします。

今回考えたサービスは他社サービスよりも安いです。

So What?
だから何が良いの?

安くすることで、今までアプローチできていなかった、コストを重視する顧客層にもアピールができます。
このように「So What?」を繰り返すことで、「顧客にとってのメリット」や「ビジネスにとっての価値」がクリアになります。
【就活での事例】

学生時代にリーダー経験があります。

So What?
その経験を通じて何を学びましたか?

チームをまとめる難しさと人を頼る事の大切さを学びました。

So Why?
なぜリーダーを経験しようと思ったんですか?

これまで特に力を入れてやってきた事がなくて、就活でもPRできる事がないしと思っていたんですが、そんな自分を変えたいと思って立候補してみました。
こうした質問を自分に投げかけることで、表面的な経験ではなく、より深いレベルで自分の強みや志望理由を語れるようになります。
ただし、コンサルかぶれがやみくもにWhyとWhatを繰り返して質問してくるのはこちらも詰められているような気分になり、質問を受けている方あまり気分のいいものではないです。
勉強して知識をつける事は大切ですが、下手な使い方をすると友達をなくしますので用法・容量を守って正しく使いましょう。
【まとめ】コンサル業界を目指す就活生が覚えておきたい思考法
今日はコンサル業界を目指すあなたに知っておいてもらいたい7つの思考法についてお伝えしました。
最初はなかなか上手くは使いこなせないもの。
途中までロジカルっぽく話して最後の最後に「あ~、最後ロジカルにならない!」と、頭を抱える社会人は沢山見てきました。
でも、使わないと脳は鍛えられないんでね。
最初は下手でもいいので、ロジカルっぽく話してみたり、決断する際にプロコンに分けて考えてみたりなど、色々試してみて頂ければと思います。
就活でも使える要素が沢山あると思いますよ。
今日のあなたへの質問
「あなたはコンサル業界を目指すべきですか?」
ゼロベース思考で、プロ(メリット)コン(デメリット)を書き出してみましょう。
それでは今日も就職活動、頑張ってください!
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