キャビンアテンダント(CA)の内定取り消しは本当にあったのか?

内定取消し 英語

新型コロナによって大きく変わってしまった航空業界。

キャビンアテンダント(CA)の内定取り消しがあったというのは事実なのでしょうか。

2020年から2022年までの間、航空業界に何が起こっていたか。

そして、2023年度CAの新卒採用を行う企業はあるのかについて迫ります。

新型コロナの襲来

2019年末、中国武漢から発生した新型コロナウイルスは丸2年以上経った2022年2月時点も猛威をふるっています。

2021年の11月にはオミクロン株という新たな変異株が見つかり、あっという間に世界中に拡がりました。

日本の新規陽性者も2022年に入ってから一気に拡がり、2022年2月10日時点ではまん延防止等重点措置区域が全国36都道府県に拡がっています。

この2年間で4回の緊急事態宣言も発令され、人々の生活は一変しました。

ホテル業・旅行業・飲食業などは特に大きな影響を受け、航空業界も非常に大きな影響を受けた業界の1つです。

 

赤字に陥る航空業界

人々の移動に制限がかけられている期間、一時期航空需要はコロナ前比9割減にまで落ち込みました。

航空会社の2020年度決算は前年比5割~8割の減収となり、ほとんどの会社が赤字に転落しました。

航空会社大手のJALとANAも前期比で63~66%の減収となりました。

希望退職募集、休業、休暇制度、外部企業への出向、役員報酬のカットなど、様々な改革を行ってきました。

政府の雇用調整金助成金(雇調金)も337億円受給し、なんとか雇用を守ってきましたがそれも限界。
人員削減のためのリストラも始まりました。

ANAホールディングスは2025年度末までの5年間で人員規模を約9000人削減する計画を発表しました。

発表時より約2割少ない、3万人程度に従業員を絞り込むことにしたのです。

 

航空業界の新卒採用

今いる社員に辞めてもらわないと会社が立ちいかなくなるぐらいの状態でしたので、当然新卒採用にもメスが入ります。

2021年度の新卒採用からほとんどの航空会社でCAの採用が見送られるようになりました。

JALは新型コロナの感染拡大の影響で採用活動を中断しましたが、今後の事業環境を見通すことが困難な状況が続いているとして、2021年度の新卒採用中止を発表しました。

グループで1700人を採用する予定でしたが、総合職の事務系や技術系、CAなど1500人弱の採用を見送る事になりました。

ANAも当初は3200人の採用を計画していましたが、8割弱に当たる2500人の採用を中止しました。

ANAの採用中止は、総合職が1999年卒、CAは2004年卒採用以来。グループ全体での中止は、2013年4月のANAホールディングス発足以降、初めての事となりました。

 

内定取り消しもあったの!?

そんな中、2020年の10月、ANAが内定取り消しを行ったのではないかという話がTwitter内で上がりました。

これは朝日新聞が10/8の新聞で

「ANA、コロナで人件費にメス 来春の採用8割を中止」

という見出しの記事を出したのがきっかけで起こりました。

この見出しの記事が朝日twitterでは「内定者8割弱を採用中止」というタイトルに変わった事によってtwitter利用者からは、

「内定者の採用中止?それって内定取消しって事なんじゃないの?」
「ANAがごまかしてるの?」

といった声が上がりました。

しかし事実としては、当初ANAは2021年度の新卒採用活動を行っておりましたが、新型コロナの影響を鑑み、2020年の7月には新卒採用の中止を発表。

その時点で既に内定を出していた人たちはそのまま採用し、採用自体を中止したので、内定取り消しはしていないというのが結論です。

「採用8割を中止」というワードがtwitter内で一人歩きしてしまい、誤解を生むような形になってしまいました。

ただ、この2021年度の新卒採用を皮切りに、この2年間航空業界での新卒採用はほとんど行われなくなってしまいました。

 

2023年度のCA採用

2022年に入り、いよいよ2023年度の新卒採用が始まる時期に入ってきました。

21年度の採用からCAの採用がなくなり、3年目の23年度の航空業界の新卒採用状況はどうなるのでしょうか。

ANAは2021年12月末、23年度の新卒採用の中止を発表しました。

業界最大手の1社ANAですら3年連続新卒採用を諦めざるを得ない厳しい状況が続いています。

そんな中、もう一社のJAL赤坂祐二社長は同じく2021年の12月に、23年度の採用については「再開を考えたい」と述べました。

赤坂社長は「国際旅客の需要はコロナ前の10%程度しか回復していないが、国内旅客需要が6割くらいに回復し、かろうじてEBITDA(利払前税引前償却前営業利益)が黒字になるゾーンに入ってきた。」

と述べ、国内線の需要回復により財務体質が改善に向かっていると説明し、新卒採用の復活には前向きなコメントを発表しました。

また、ANAグループ会社であるピーチ・アビエーションも採用再開を発表しています。

しかも23年度ではなく、22年度の採用を再開。

CAは無理だと諦めて別の業界に就職が決まっていた人にも急遽CAになれるチャンスが訪れる事になりました。

 

CAの内定取り消し情報まとめ

新型コロナの襲来をきっかけに、空の需要は急激に落ち込みました。

各社減収減益で希望退職や賃金カット、雇用調整金を受給しなんとか雇用を維持している状態なので、基本的に21年度から23年度までの3年間、新卒採用の門は閉ざされていました。

ただ、2022年2月の時点でJALが採用の再開を示唆、ピーチ・アビエーションに関しては22年度からの新卒採用再開を急遽発表しました。

一度、ホテル業界などの別の業界でスキルを学び、新型コロナが落ち着いてきた頃に中途入社としてチャレンジする方法だってあります。

CAを夢見てきて、この時代に就職活動を迎える人にとっては非常に厳しい状況が続きますが、諦めたらそこで試合終了です。

今回のピーチ・アビエーションのような採用再開がいつ発表されるか分かりませんので、どんな時でもすぐにチャレンジできる準備を怠らない事が大切かと思います。

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キャビンアテンダント採用再開情報

JAL
2022年3月1日、JALが新卒採用再開を自社のHPで正式にリリースしました。

客室常務職は100名程度の採用予定との事です。

採用を再開したJALグループ各社の情報も記載されておりますので、是非ご覧ください。

≫≫2023年度入社 JAL新卒採用 募集開始について

 

JAC
また、日本エアコミューター(JAC)も2022年6月1日、CAの新卒既卒採用を開始しました。

募集人数:若干名
応募〆切:2022年7月8日。

新卒採用は9年ぶりなんだそうです。

エントリーはこちらから。

 

フジドリームエアラインズ
そしてフジドリームエアラインズ。

募集人数:36~40名
応募〆切:2022年7月21日

≫≫マイナビFDA新卒採用情報

 

琉球エアーコミューター
最後は沖縄の琉球エアーコミューター

募集人数:若干名
募集〆切:2022年7月21日

エントリーはこちらから

 

決して沢山の応募枠とは言えませんが、少しずつ客室乗務員を目指す学生さんにとっての希望の扉が開いてきました。

そして2022年12月、遂にANAも新卒採用再開を発表。

ANAの客室乗務員の採用再開は実に4年ぶり。

ANAホールディングス傘下の全日本空輸(ANA)、ANAウイングス、エアージャパンの3社で採用を再開します。

正式な人数はまだ発表されていませんが、23年度入社の経験者採用を合わせて合計500名規模になる見通しとの事です。

≫≫ANAの採用HPへ

JALに続いてANAも再開が決まりました。

経験者採用もあるので、採用中止期間中にに別の企業に就職した人にもチャンスが出てきました。

募集要項をよく見て、可能性がある企業には積極的に応募していきましょう。

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