コンサル業界を目指す就活生へ
コンサルティング業界は、毎年多くの就活生にとって憧れの職種の一つです。
しかし、コンサル業界は他の業界と異なり、独自の専門用語やフレームワークが多く使われます。
この業界にチャレンジするためには、面接や書類選考の段階で、これらの基本的な用語をしっかりと理解しておくことが重要です。
この記事では、就活生が知っておくべきコンサル業界の重要な用語17つを紹介します。
これらの用語を理解し、適切に使いこなすことで、面接やケーススタディでの回答の質を向上させることができます。
それでは1つずつ見ていきましょう。
コンサル業界志望の就活生が知っておきたいコンサル業界用語17選
アサイン
コンサル業界において、コンサルタントが担当プロジェクトやタスクを割り振られることを「アサイン(Assign)」と呼びます。
英語では「割り当て」という意味ですが、コンサル業界においては「配属する」という意味で使用されることが多いです。
「アサインメント」という形で使われることもあり、これは「割り当てられた仕事」や「任務」を指す場合もあります。

あの大手の案件にアサインされたんだって?
おめでとう!頑張ってな!

はい。先輩のおかげっす。
頑張ります!
また「アサイン」の反対の意味の用語は「リリース(Release)」です。プロジェクトから抜ける(抜けさせられる)ことをいいます。
アベる
「アベる」という言葉は、「アベイラブル (available)」の略で、プロジェクトにアサインされていない状態を指します。
この状態は、次のプロジェクトに呼ばれるまでの待機期間を意味し、仕事がないため「手が空いている」ことを指すのであまりいい意味で使われる事はありません。
優秀なコンサルタントは色んなプロジェクトに引っ張りだこなので、基本アベっている事はありません。
アベる期間が長く続くと評価が下がったり、キャリアに悪影響を与えることもあります。
アベる期間は、単に暇を持て余すのではなく、次のプロジェクトにアサインされた際に存分に力を発揮できるよう、自己研鑽の時間に充てるとよいでしょう。

最近どう?忙しそうだけど。

いや、今は全然っす。
ちょっとアベってて、次のプロジェクト待ちなんすけど。

そうなんだ!
時間があるならスキルアップとかできるから、今のうちにやっておくといいかもね。
ペンディング
「ベンディング(Pending)」とはものごとが「未定」であったり「保留中」であったりすることを指します。
プロジェクトやタスクで解決が難しい問題が発生した場合、その問題にすぐには対応できないため、他の優先事項に集中するために一時的に対応を後回しにすることを「ペンディングにする」と言います。

この件、まだクライアント(お客様)からの承認が下りていないので、ひとまずペンディングにしておきましょう。

了解です。承認が下り次第、すぐに対応しますね。
アウトプット
自身が作成する資料などの「成果物」や「仕事の結果」のことを「アウトプット(Output)」と言います。
プロジェクトの進行過程や、最終的な提案、報告書、分析結果など、クライアントに提供する形あるものがアウトプットです。
「コンサルタントはアウトプットが全てだから」とよく言われます。
コンサルタントにとって、アウトプットは自分の価値を示す重要な指標となり、クライアントに対してどれだけの貢献をしたかが評価されるポイントになります。

今回のプロジェクトのアウトプット、クライアントから非常に高評価だったよ。
特に、具体的なアクションプランがよかったみたいだ。

ありがとうございます。
自分としても納得のいくアウトプットが出せて良かったです。
バリュー
「バリュー(Value)」とは、クライアントに対して提供する「価値」を意味します。
具体的には、プロジェクトやコンサルタントの仕事がどれだけクライアントにとって有益であるか、どれだけのインパクトを与えるかがバリューとして評価されます。
コンサルタントの仕事は、クライアントの課題を解決し、ビジネスにポジティブな変化をもたらすことで「バリュー」を提供することが最も重要とされています。

こんな資料じゃクライアントにバリュー提供できねーだろ!?

すみません。もう一回一から考えてみます。
コミット
「コミット(Commit)」とは、「約束」「責任」「関わる」という意味で、ある目標や結果に対して強く責任を持ち、必ず達成するという意味で使われます。
「約束」というニュアンスでは「目標・目的を必ず達成する」という意味。
「関わる」というニュアンスでは「目標・目的に対し責任を持って作業を推進する」という意味で使われる事が多いです。

このプロジェクト、スケジュールが厳しいけど、今週中にアウトプットを出せるようにコミットできる?

はい、今週中に必ず完成させるようにコミットします。
As-Is
「As-Is(アズイズ)」とは現在の業務プロセスやシステム、組織の「現状」を表します。
プロジェクトや分析の際、現状を把握するために現行の状態を詳細に分析することが必要で、その状態が「As-Is」と呼ばれます。
To-Be
「To-Be(トゥービー)」とは、将来的に目指すべき理想の状態や、あるべき姿を指す用語です。
これは「As-Is」と対比される概念で、現状分析(As-Is)を行った後に、どのような形に変えていきたいか、どのような改善を行うべきかを描く段階です。
現状を整理して、理想の状態を描いてそのギャップを埋めるためにこういう事をしていきましょう!
という提案をする際に「As-Is」及び「To-Be」がよく使われます。

まずはクライアントのAs-Isプロセスをしっかり把握して、次にTo-Beモデルを作成していこうか。

了解です。まずはAs-Isのデータを集めて、現状の課題を洗い出します。
イシュー
「イシュー(Issue)」とは、コンサルティング業務において解決すべき「問題」や「課題」を指します。
コンサルタントはプロジェクトの初期段階で、クライアントが直面しているイシューを特定し、それに対して適切なソリューションを提供することが求められます。
特に、課題解決型のコンサルティングでは、このイシューを明確にし、優先順位をつけることが重要です。

今回のプロジェクトで最も重要なイシューは、コスト削減と効率化のバランスをどう取るかだね。

そのイシューについて、いくつか解決策を考えました。今日の会議で提案させていただきます。
マスト
「マスト(Must)」とは「必ず」という意味。
次に出てくる「Nice to Have」に対する言葉です。
必ずやらなければならないというニュアンスが込められています。

クライアントが提示したこの期限はマストだから、どんな状況でも守らないといけない。今週中には提案書をまとめられそうか?

了解です。
必要であれば週末も使って仕上げます。
Nice to Have
「Nice to Have(ナイストゥーハブ)」とは「あればよい」という意味。
「マスト」に対する言葉で、あったらいいけど、別になくてもいいものというニュアンス。

この新しいツールは本当に導入マストなんですか?
コストが気になるのですが。

このツールはNice to Haveです。
必須ではありませんが、導入することで効率がさらに向上し、長期的にはコスト削減につながると思っています。
KGI
「KGI(ケージーアイ)」とは「Key Goal Indicator(重要目標達成指標)」の略。
KGIはプロジェクトやビジネス全体の成功を示す最終的な成果を評価する指標です。
例えば、企業が売上を20%増加させることを目標としている場合、その「売上増加」という具体的なゴールがKGIにあたります。
KGIは組織やプロジェクトが目指すべき最終成果を定量的に示すものであり、達成すべき結果として設定されます。
KPI
「KPI(ケーピーアイ)」とは「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」の略。
企業が設定する目標達成のための重要な指標を指します。
コンサルタントは、KPIを設定し、その達成度を評価することで、クライアントの業務改善をサポートします。
例えば、売上高や顧客満足度などがKPIとして設定されることが多いです。

このプロジェクトの成功を測るために、いくつかのKPIを設定しよう。
まずは、KGIが売上の20%向上なので、そのための指標の1つとして、リピート率10%アップをKPIの1つにしよう。

そうですね。
他には、顧客満足度やリード獲得数もKPIに追加して、各指標を毎月モニタリングしていきますね。
フレームワーク
「フレームワーク(Framework)」とは、問題解決を体系的に進めるための枠組みを指します。
コンサルタントは、特定のフレームワークを使って課題を分析し、効率的に解決策を導き出します。
代表的なフレームワークには、「3C分析」「SWOT分析」「5フォース分析」などがあります。
これらは、企業の競争環境や内部環境を整理するために使われます。

今回のプロジェクトでは、まず現状をしっかり把握する必要があるね。どのフレームワークを使って分析を進めるのがいいかな?

SWOTフレームワークが適切だと思います。
外部環境と内部資源の両方をバランスよく分析できるので、クライアントの市場でのポジションを明確にできます。
ベンチマーク
「ベンチマーク(Benchmark)」とは、他の企業や業界のトップ水準を基準として、自社のパフォーマンスやプロセスを評価・比較することを意味します。
ベンチマークを使用することで、自社の強みや弱みを把握し、業界での競争力を高めるための改善策を導き出すことができます。

今回のプロジェクトでは、クライアントのコスト構造を業界標準とベンチマークして、改善の余地があるかどうか確認しよう。

了解です。業界内のトップ企業と比較して、クライアントが競争力を高めるための具体的な提案をまとめます。
コンセンサス
「コンセンサス(Consensus)」とは、複数人の合意。
意見を一致させることを「コンセンサスをとる」と言います。
具体的にはコンサルタントがクライアントやプロジェクトのステークホルダー(関係者)と協力して進める際、全員が同じ方向性や結論に同意することを「コンセンサスをとる」と言います。

今回のプロジェクトの方向性について、社内でも意見が割れているのですが、どう進めるべきでしょうか?

まずは、全ての関係者からフィードバックを集め、コンセンサスを形成することが重要だな。その上で、全員が納得できる方向性を設定しよう。
ロジ周り
「ロジ周り」とは、「ロジスティックス(logistics)」の略で、プロジェクトや会議の運営に必要な物理的・後方支援のことを指します。
具体的には、会議の会場手配、資料の準備、参加者への案内、スケジュール管理、移動手段の手配など、プロジェクトやイベントの円滑な進行をサポートするための細かな業務を指します。
【ロジ周りに含まれる主な業務】
会場手配
資料準備
スケジュール調整
参加者の移動手配
プロジェクト管理ツールの設定

明日のプレゼンに向けて、ロジ周りは大丈夫かな?

はい、会場の確認も完了して、クライアント向けの資料も印刷済みです。
あと、プロジェクターの設定も確認しておきます。
【まとめ】知識を武器にコンサル業界を目指そう!
知っている用語はありましたか?
コンサルティング業界は、高い知識とスキルが求められる厳しい業界ですが、その分大きなやりがいやキャリアの成長が期待できるフィールドでもあります。
本記事で紹介した17個の用語を理解し、使いこなすことが、コンサルタントとしての第一歩です。
これからの就職活動においては、これらの知識をしっかりと準備し、面接やケーススタディに挑んでください。
知識を武器に、コンサル業界への第一歩を踏み出しましょう!
今日のあなたへの質問
「コンサル企業の内定獲得というKGIのために、何社エントリーして何社の選考を受けるというKPIを、まずは立ててみませんか?」
それでは今日も就職活動、頑張ってください!
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